応援歌を力に復活「金」へ BMXの19歳中村輪夢

共同通信

 東京五輪で新採用される都市型スポーツの金メダル候補が、音楽をよりどころに大けがからの復活を期している。自転車BMXパークの19歳、中村輪夢(ウイングアーク1st)。憧れのアーティストから贈られた応援歌を力に、5月の復帰戦での奮起を誓う。
 今月中旬、京都出身の人気ラッパーのANARCHY(アナーキー)さんが中村のために書き下ろした新曲「HIGH AIR」がユーチューブに公開された。曲名は中村が持ち味とする3メートル超の跳躍技に由来する。挫折や恐怖心を克服できるようにとの思いが込められた。
 中学生の時に同郷のアナーキーさんを知り、曲を聴きながら練習に励んだ。経済的に恵まれない環境からの成功物語に刺激を受け「もっと頑張ろうという気になる」という。新曲を聴いて「本当にうれしい。けがや病気で苦しんでいる他の人にも届いたら」と願う。
 若年層に人気の都市型スポーツは音楽との親和性が高い。競技会場内にはDJが流す曲が大音量で響き、野外フェスのようだ。ダイナミックな空中技はけがのリスクと隣り合わせ。恐怖心を紛らわせ、気持ちを高めるために競技中もヘッドホンで音楽を聴く選手が多く、中村も「なくてはならない」と話す。