校則で他クラス出入り禁止 札幌市立中、不合理と指摘
共同通信 札幌市立の中学校・中等教育学校全98校のうち、休み時間や授業の合間に他のクラスへの出入りを校則などで禁止したり制限したりしている学校が少なくとも49校あることが18日、市への情報公開請求で分かった。学校側はトラブルの防止や、生徒のクラスへの帰属意識を育むことが目的だとしているが、専門家は「合理的とは言えない」と指摘している。
文部科学省は指導方法を記した教員用の手引書「生徒指導提要」で、校則は「社会通念に照らし合理的とみられる範囲内で、学校や地域の実態に応じて適切に定める」としている。市教委は生徒間の関わりを制限する校則について「学校が荒れた1980年代の名残」と推測。文科省担当者は「昔と比べて真面目で優しい生徒が多い」としており、見直しを求める声が強まる可能性がある。
他クラスへの出入りを制限する中学の担当者は取材に「器物破損や盗難などのトラブルを防ぐため」「他クラスの生徒が頻繁に出入りすると、同じクラスでのつながりができにくくなる」としている。元PTA会長で校則に詳しい後藤富和弁護士は「自分のクラスに溶け込めない生徒への配慮がなく、不登校になりかねない」と懸念する。
また、少なくとも33校で自分の学年の階以外に行くことが制限されているほか、ある中学では他学年の生徒に声を掛けたり手を振ったりすることを禁じるなど、クラスメート以外の生徒との関わりを遠ざけるような校則があった。