五輪への影響、じわり 新型肺炎、合宿や交流中止
共同通信 夏の東京五輪・パラリンピック関連のイベントに新型肺炎の影響が出始めている。感染の広がりを受けて合宿のための来日見合わせなどが相次ぎ、準備を進めていた関係者からは「リスクを考えると、やむを得ない」とため息交じりの声が漏れる。
モンゴルのアーチェリー代表チームは、19日から愛知県岡崎市で予定していたキャンプを中止。市によると、モンゴル政府の方針で監督や選手が渡航を断念した。
今回は3度目のキャンプで、愛知産業大(同市)や中学のアーチェリー部との交流を準備していた。社会文化部スポーツ振興課の鍋田史郎(なべた・しろう)課長は「残念だが、このような状況下では...」と苦しい胸の内を明かす。
台湾のホストタウン山形県新庄市は、5月に計画していた台湾への小学生派遣の延期を決めた。市の担当者は「一度踏みとどまるべきだと判断した。この事態を乗り越え、より良い関係を築けたら」と話す。
東京都はパラリンピック競技を体験する24日のイベント中止を検討する。駒沢オリンピック公園周辺を会場にアイドルグループ「AKB48」のメンバーらが出演予定。多くの観客が見込まれるため開催は難しいとの考えで、近く結論を出す。
一方、静岡市内で強化合宿を行っていた中国のテコンドー代表チームは5日の帰国を取りやめた。監督と知り合いの男性が経営する静岡県小山町のホテルが宿泊を受け入れ、練習場所も手配。ホテルによると、五輪の金メダリスト3人を含む選手ら計37人が9日から滞在中で、担当者は「安心して練習に集中してほしい」と思いやった。