河瀬さんが公式映画監督に 五輪「心を動かす作品に」

2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会は23日、大会公式映画の監督を、カンヌ国際映画祭などで受賞歴がある河瀬直美さん(49)が務めると発表した。東京都内で記者会見した河瀬さんは「等身大で、自分ができることを全うしたい。記録性だけでなくストーリーを伴い、世界中の心を動かす作品にしたい」と抱負を述べた。
公式映画では、大会時や準備段階の様子がドキュメンタリーとしてつづられ、21年ごろに完成する予定。河瀬さんは災害からの復興やスポーツの持つ力にテーマを置く考えを示し「日本の素晴らしさを世界にアピールできるきっかけになるのではないか」と語った。組織委の森喜朗会長は「日本の歴史に残る立派な作品になるだろう」と期待した。
河瀬さんは奈良市生まれ。カンヌ国際映画祭で1997年に「萌の朱雀」が新人賞、2007年に「殯(もがり)の森」が審査員特別大賞を受賞した。1964年の東京五輪では、市川崑監督が公式映画「東京オリンピック」の総監督を務めた。