駅にピアノ、気軽にどうぞ 佐賀とオランダの懸け橋に
共同通信 佐賀県鳥栖市のJR新鳥栖駅の構内に19日、誰でも自由に弾くことができるピアノが設置され、柔らかな音色が響いた。佐賀県が交流強化を目指すオランダで最近、駅など公共の場に置かれ話題の「ストリートピアノ」にちなみ企画。同県は2020年東京五輪・パラリンピックで、オランダのホストタウンに登録されている。
ピアノは市民が寄贈したもの。駅でのオープニングイベントでは、構内に設置されたアップライトピアノを、福岡や佐賀で活動するアーティストなどが演奏。主催した佐賀県によると、200人以上が聞き入った。
鳥栖市立香楠中1年の小島千優凜(こじま・ちゆり)さん(12)の伴奏で、地元合唱団は井上陽水(いのうえ・ようすい)さんの「少年時代」などを歌った。小島さんは「緊張したけど楽しかった。駅にピアノがあるって、いいですね」と笑顔だった。
オランダ文化がもたらされた旧長崎街道沿いの小城駅(小城市)にも9月に設置される予定。
幕末に佐賀藩は、オランダの技術書を参考に日本初の実用反射炉を完成させるなどした。佐賀県は明治維新150年に際し、技術や文化面で大きな影響を受けてきた同国との文化交流に力を入れている。