アイヌ民族博物館が閉館 「象徴空間」整備本格化

共同通信

 北海道白老町のアイヌ民族博物館が31日、閉館した。政府は2020年の東京五輪・パラリンピックに合わせて同町にアイヌ文化復興施設「民族共生象徴空間」を開設予定で、一般財団法人が運営してきたアイヌ民族博物館は国立の博物館に生まれ変わる。象徴空間には博物館のほか公園や慰霊施設なども建設する計画で、政府は整備を本格化する。
 アイヌ民族博物館は1965年、ポロト湖畔にコタン(集落)を移設して観光客に公開したのが始まりで、84年に現在の施設を開館した。伝統家屋チセを再現して着物や道具などアイヌに関する資料を展示したほか、舞踊の実演なども行ってきた。収蔵する資料約6千点は国立の博物館に引き継ぐ。
 象徴空間はアイヌ語や伝統工芸などの体験型施設も併設し、年間100万人の来場者を目指す。