開催意欲、市区町村の27% 東京五輪文化プログラム
共同通信 2020年東京五輪・パラリンピックに向け、大会関連行事として開催する文化プログラムに意欲を持つ市区町村が、全体の27%にとどまることが共同通信のアンケートで29日分かった。国内のどこでも開催でき、政府は地域活性化や観光客誘致につなげる好機と期待するが、全国に周知が行き届いていない実態が明らかになった。自治体の財政難も支障になっており、推進体制の見直しが求められそうだ。
アンケートは9~10月、全国1741市区町村に実施。その後の取材も加味して最新情勢をまとめた。
文化プログラムに関する質問に答えた1528市区町村のうち、意欲を示したのは27・3%に当たる417市区町村。内訳は「取り組んでいる」が7・7%、「予定している」1・5%、「検討中」18・1%だった。残りは「検討していない」と回答した。
取り組みの内容は伝統芸能が最も多く、次いで音楽、祭り、美術、食文化など。狙いとして文化振興や地域活性化、観光客誘致を挙げる例が多かった。
東京都内の自治体や横浜市、新潟市、京都市は定期的にイベントを開催。千葉市は障害者ダンスに力を入れるなど都市部の取り組みが目立つ。地方では伝統的な食文化や文化財といった地域遺産を生かす動きもある。
「検討していない」とした1111市区町村からは「地域としての関わり方がよく分からない」(宮城県亘理町)「認証や助成に関する情報が足りない」(秋田県由利本荘市、東京都小金井市)といった指摘があった。ただ、1111市区町村の約40%は五輪・パラリンピックの国内開催には関心を寄せており、政府が文化プログラムの意義や効果を浸透させれば、取り組みが加速する可能性がある。
開催資金の確保には、公営事業やふるさと納税の収入を充てる工夫をしている自治体もある。しかし多くは一般財源から捻出するため財政事情が苦しく「助成制度の創設を」(仙台市、横浜市、福岡市など)と国の支援を訴える声が相次いだ。