劇場のバリアフリー化推進 文化庁、税制優遇で支援

共同通信

 2020年東京五輪・パラリンピックを機に、体の不自由な人が演劇やコンサートなどにもっと親しめる環境をつくるため、文化庁は来年度から、民間の劇場や音楽ホールのバリアフリー化を支援する方針だ。基準を満たした施設の固定資産税や都市計画税を半分にする制度の創設を、来年度の税制改正要望に盛り込んだ。
 国土交通省が推奨する高いレベルのバリアフリー基準に適合することを条件にする。具体的には、車いすでも入場しやすいよう建物出入り口の幅を120センチ以上、廊下の幅を180センチ以上とし、車いす用のトイレを各階に1カ所以上配置。視覚障害者のための点字ブロック設置なども求める。
 文化庁が客席300以上の民間の劇場や音楽ホール約100施設を調べたところ、国交省の推奨基準を満たすのは8月時点で1施設だけだった。
 20年五輪に向けては、超党派の議員連盟が「障害者文化芸術推進法」を制定し、創作や鑑賞の場を広げることを目指しており、文化庁も新制度で環境整備を後押しする考えだ。