ストップ五輪便乗商法 規制強化へ法整備の動き 

共同通信

 2020年東京五輪に向け、大会組織委員会が「アンブッシュ・マーケティング」と呼ばれる不正便乗商法に対する規制を強化する法整備を政府に要請していることが11日、分かった。五輪機運の高まりとともに便乗は増えるとみられ、現行法では違法かどうか線引きが難しいケースがあることから今後、法制化を巡る議論が進みそうだ。
 巨額の協賛金を支払う企業に、見返りに五輪マークなどを使った商業活動を独占的に認める「スポンサー商法」は現在の五輪ビジネスの柱。東京の組織委も既に国内スポンサーとして43社と契約し、総額2500億円以上の収入を見込む。便乗が横行すれば、企業にとって協賛金を出すメリットが損なわれるため、国際オリンピック委員会(IOC)は開催国に厳しい対応を求めている。
 アンブッシュとみなされる範囲は広く、五輪マーク、大会エンブレムなどの無断使用にとどまらず、地域の商店街が「東京オリンピックを応援しよう」と書かれたのぼり旗を出すことや、「2020スポーツの祭典」「目指せ金メダル」といった五輪を連想させる表現を使うことも不正な便乗になる可能性がある。
 昨年のリオデジャネイロ大会の期間中、日本国内では量販店でのセールなどで約40件問題のあるケースが見つかり、東京の組織委が中止を要請した。大半が問題のある行為と知らずにエンブレムなどを使用したものだったが、悪質な事案は警察の摘発もあった。
 五輪マークなどは知的財産として、国内では商標法、不正競争防止法、著作権法などで保護される。ただ、五輪との関連性を想起させる表現の可否は微妙な点があり、組織委関係者は「五輪のイメージの流用は解釈に幅がある概念。グレーゾーンがより(違法かどうか)明確になるための法律が必要」と指摘した。