祭典の舞台づくり本格化 開幕日に「体育の日」案  最多33競技、課題は輸送  東京五輪まで3年 

共同通信

 2020年東京五輪の開幕まで24日であと3年となった。野球・ソフトボールなど開催都市枠で行われる追加種目を含め、史上最多の33競技、339種目の実施が6月に決まり、大会組織委員会などは今後、会場計画の確定や競技日程の策定に取り組み、スポーツの祭典の本格的な舞台づくりに着手する。開会式当日は都内の道路交通の混乱を避けるため、20年に限って「体育の日」を10月から開幕日に移す形で休日とする案が大会関係者の間で浮上していることが23日、分かった。
 大会は東京の他、北海道と7県に会場が広がる広域開催となり、最大の懸案となっている選手や観客の輸送をはじめ、開催費用削減や暑さ対策の課題克服に当たる。
 当初のコンパクトな配置から一変した会場計画では、自転車ロードレースのコース変更が最終調整中。都内から山梨県を経て富士スピードウェイ(静岡県小山町)にゴールする案が有力で、来年前半の確定を目指す。バスケットボール3人制など若者向きの種目を集めて都内臨海地区で行う計画は年内にもまとめる。
 組織委の森喜朗会長が「大会の成否を左右する」と強調する輸送問題は、選手村(中央区)と各会場を結ぶ「大動脈」の環状2号線が築地市場の移転延期で整備が遅れ、懸念されている。また、政府や都、組織委は大会中の交通量を抑制するため、大会車両を一体管理する「輸送センター」を18年度に設置し、ITを駆使した渋滞回避対策も進める。
 予備費を除いて1兆3850億円と試算されたパラリンピックを含む開催経費は、5月に都と組織委、政府、都外の開催自治体で大枠の分担について合意したが、先送りとなった都外会場の350億円程度の分担は未定。国際オリンピック委員会(IOC)はさらに削減を求めており、年内をめどにより詳細な予算計画をまとめる方針だ。
 大会は酷暑が予想されるため、暑さ対策が進む。外国人の観客やボランティアに対する熱中症の救急医療体制の整備も急務となる。
 東京五輪は20年7月24日、新国立競技場で開会式を行い開幕し、8月9日まで行われる。