はとバス人気が復活 国内客好調、バブル期並み  東京五輪へ右肩上がり期待 

共同通信
JR東京駅前を走る「はとバス」の車両(同社提供)JR東京駅前を走る「はとバス」の車両(同社提供)

 東京や横浜の観光地を巡る「はとバス」人気が復活している。都心部が中心の東京観光コースは昨年秋から乗客が急増し、6月末までの1年間で93万4306人に達した。前年同期より9・6%多く、バブル期に並ぶ勢い。昨年4月から通年での一般公開が始まった迎賓館赤坂離宮(東京都港区)や、昨年7月に国連教育科学文化機関(ユネスコ)世界文化遺産への登録が決まった国立西洋美術館(台東区)を組み込んだ国内客向けコースなどが好調という。
 2020年東京五輪・パラリンピックを控え、運行会社「はとバス」(大田区)の担当者は「最大のチャンスだ。さらに右肩上がりが予想できる」と期待、五輪関連のツアーを企画する予定だ。
 はとバスの東京観光は、前回の東京五輪が開催された1964年度の約123万人が過去最高だった。70年代半ばからは年間80万人前後で推移。好景気の89年度(89年7月~90年6月)は94万4872人まで増えたが、その後は01年度の約52万人まで落ち込んだ。
 一方、全体の1割を占める訪日外国人旅行者向けコースは、前年同期(15年7月~16年6月)より5・6%少ない8万3879人。特に中国語で案内するツアーは24・6%減の1万5267人に低迷した。中国からの観光客が地方へ分散した影響とみられる。
 訪日客の増加により都内のホテルでは客室不足や料金高騰が続いていたが、最近では値下げの動きも出るなど宿泊事情が改善に向かい、地方からの客足も戻ってきているという。