能楽フェスティバル開催へ 前回の東京五輪振り返り

共同通信

 2020年東京五輪・パラリンピックに向け、能楽協会は27日、シンポジウムと特別公演で構成する「能楽フェスティバル2017―2020」を来年1月25日に東京・国立能楽堂で開催すると発表した。日本能楽会などが共催し、能楽界が一丸となって東京五輪との関わりを再考する催し。
 副題は「1964年『オリンピック能楽祭』を想(おも)う」。シンポジウムでは、64年の東京五輪の際に開かれた公演「オリンピック能楽祭」に出演した人間国宝の狂言師、山本東次郎(やまもと・とうじろう)さんが講演し、当時を振り返る。
 特別公演では、東京を舞台とする能「隅田川」を人間国宝の能楽師の野村四郎(のむら・しろう)さん、狂言「神鳴」を東次郎さんらが披露する。日本語と英語の字幕を表示し、初めて能を見る観客や外国人観光客にも対応する。
 27日に東京都内で記者会見が開かれ、能楽協会の観世銕之丞(かんぜ・てつのじょう)理事長は「世界でも600年以上の伝統を持つ演劇は少ない。世阿弥の考えた理論と、代々の口伝による能の伝承の形は、日本の文化の強みだと思う」と説明。20年まで催しを継続し、「日本文化の持つ奥行き、ポテンシャルの高さをうまく情報発信したい」と述べた。
 チケットの問い合わせ先は能楽協会、電話03(5925)3871。