高齢者1600人が熱演 蜷川さん企画の大群集劇
共同通信
演出家の故蜷川幸雄(にながわ・ゆきお)さんが企画し、一般応募の高齢者ら約1600人が出演した「1万人のゴールド・シアター2016 金色交響曲~わたしのゆめ、きみのゆめ~」が7日、さいたま市のさいたまスーパーアリーナで上演された。
出演者は全国各地から集まり、7月から稽古していた。作品は「ロミオとジュリエット」をベースにした物語。当初は蜷川さんが演出予定だったが、5月に死去したため、脚本を手掛けたノゾエ征爾(せいじ)さんが演出も行った。
出演者は劇中、歌やダンスをしたり、大勢で声を合わせて「ロミオ!」とせりふを言ったりと、約8千人の観客を前に熱演を見せた。終演後には解散式が行われ、蜷川さんに向けて、出演者やスタッフらが全員で感謝の言葉を述べた。
最高齢の野口泉(のぐち・いずみ)さん(91)=埼玉県川越市=は「演劇には初めて参加した。やり終えて達成感があるが、寂しさも感じる」と語った。ノゾエさんは「1600人が芝居を謳歌(おうか)していた。その時点で蜷川さんが求めていたものができたと思う」と話した。
この企画では、2020年に出演者1万人の演劇上演を目指している。