芸術生かし地方活性化を 文化庁の行政課題で答申案
共同通信 国の文化審議会は14日、2019年度以降の京都への全面的移転を控える文化庁に関し、行政課題の答申案をまとめた。自治体や企業、関係団体などと連携を強め、文化財や芸術活動を生かした地域活性化を進めることが柱。近く松野博一文部科学相に答申する。
答申案は、文化財を活用して国内外の観光客を呼び込み、地域全体の収入や定住人口の増加につなげることが重要と指摘。活性化に向け(1)文化芸術に関する国内外の情報分析など調査研究機能の強化(2)国や自治体で政策立案の専門人材確保―などを求めた。
20年東京五輪・パラリンピックに向け、和食など生活文化やポップカルチャーも含め、日本文化の価値を国際的に広く発信することを提言。美術館や博物館のバリアフリー化や無料Wi―Fiの整備、作品解説の多言語表示を進めるべきだとした。
政府は文化庁移転を巡り、文化芸術を地方創生に生かすために政策立案機能の大幅な強化を掲げており、文化審議会の答申も踏まえて組織再編の在り方を検討する。
文化庁移転に関連して京都市の門川大作市長は14日、松野氏を訪ね、国立文化財機構、国立美術館、日本芸術文化振興会の文化関係の3独立行政法人も併せて移転させるよう求めた。「近畿には3法人の施設や文化財、芸術系の大学なども多い。東京一極集中是正の趣旨にも沿う」と説明した。