聖火リレー「被災地回る」 森会長、内規緩和要望

共同通信
スポーツ文化ワールドフォーラムで講演するIOCのバッハ会長=2016年10月20日午後、東京都内のホテルスポーツ文化ワールドフォーラムで講演するIOCのバッハ会長=2016年10月20日午後、東京都内のホテル

 2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は20日、東京都内で行われた国際会議「スポーツ文化ワールドフォーラム」で基調講演し、同五輪の聖火リレーで東日本大震災や熊本地震の被災地を回るため、国際オリンピック委員会(IOC)に、上限100日でルートは一筆書きと定めた内規の緩和を要望した。
 森会長は「復興五輪」の理念を「片時も忘れたことがない」と強調した上で「組織委は当初から被災地の皆さんに聖火のたいまつを回すことを徹底してやろうという考え方だ」とし、IOCのバッハ会長に「(現ルールでは)100日で一筆書きで回るのは難しい。ぜひご考慮いただければと思っている」と要望。続いて講演したバッハ会長は「いい案を出さなければいけない」と検討する姿勢を示した。
 東京都が検討するボート、カヌー・スプリント会場の宮城県への変更案を巡っては、組織委や競技団体の反発が強い。バッハ会長は18日の小池百合子都知事との会談で、招致時に提案した計画の履行が「大原則」とし、大幅な見直しをけん制した。この日の講演でも「日本は約束したことを必ず守ることで知られている。非常に信頼できるパートナー」と述べた。
 スポーツ文化ワールドフォーラムはラグビーの19年ワールドカップ(W杯)日本大会や東京五輪・パラリンピック、一連の文化行事に向けたキックオフイベントとして開催されている。