障害者アート支援で新法 東京パラを盛り上げ

共同通信

 超党派の議員連盟が20日、障害者アートの発掘や美術館展示、商品化などを進める新たな法案を議員立法として国会提出する方針を固めた。与党議員を中心に詰めの作業を急いでおり、早ければ26日召集の臨時国会に超党派で提出したい考え。
 4年後の東京五輪・パラリンピックに向け、障害者の芸術活動を盛り上げるのが狙いだ。身体、知的、精神障害者による絵画や彫刻のほか、音楽、ダンス、演劇などを幅広く対象にする。
 障害者の絵画などは、専門の美術教育を受けていない作者による表現として「アール・ブリュット(生(き)の芸術)」などと呼ばれる。日本の作品は海外でも展示されるなど国際的に高く評価されており、法案は優れた作品を日本の「売り」として世界へ発信することも目指す。財政・税制面での支援も視野に入れる。
 議連は「障害者の芸術文化振興議員連盟」(会長・衛藤晟一首相補佐官)。法案では、国や自治体に①質の高いアート作品の発掘②創作活動の環境整備③国公立美術館での展示機会の確保④作品の販売や商品化の支援―などを求める。
 国は取り組みを進めるための基本方針を定め、文部科学省と厚生労働省が協力して具体的な行動計画を作成。「芸術文化振興基金」を活用した資金援助の充実も検討する。
 東京五輪・パラリンピックに合わせて開催する文化プログラムにも障害者アートを取り入れ、一時的なブームに終わらないよう取り組みを継続することも盛り込む。