評価高まる障害者アート 自立に期待、広がる支援
共同通信
障害のある人の芸術活動はここ数年、国内各地にさまざまな形で広がっており、作品を海外のバイヤーが高値で買い取るなど評価が高まっている。2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、裾野の拡大や障害者の自立に期待が寄せられている。
日本の障害者アートの中心的な存在が、2004年に滋賀県近江八幡市に誕生した「ボーダレス・アートミュージアムNO―MA(ノマ)」。障害の有無にかかわらず絵画などを展示するのが特徴で、全国に埋もれている作品を調査してきた。
現在は各地の社会福祉法人やNPO法人などが創作活動に取り組み、作品の販売や絵画をプリントした商品開発などの例も。作品が100万円以上で売れ、芸術活動で生計を立てられる人もいる。
知的、発達障害者による表現は固定観念にとらわれない独特の作風が魅力。10~11年にパリで開かれた「アール・ブリュット・ジャポネ」展には約12万人が訪れ、反響を呼んだ。
国や自治体の支援も拡大している。厚生労働省は14年度から人材育成や展覧会開催の支援事業を開始。滋賀県は本年度から作品の収集を進め、東京都も渋谷区に展示やアーティストの交流拠点の整備を検討している。