「自然」テーマに公式作品 リオ五輪に美術家の森さん

共同通信
リオデジャネイロ市近郊の滝で披露された森万里子さんのパフォーマンス=2日(共同)リオデジャネイロ市近郊の滝で披露された森万里子さんのパフォーマンス=2日(共同)

 リオデジャネイロ五輪の公式文化プログラムにロンドンなどを拠点に活動する美術家の森万里子(もり・まりこ)さんの作品が採用され、2日にお披露目された。リオデジャネイロ市近郊の滝の上に設置された作品のタイトルは「Ring:One With Nature」。直径3メートルほどの環状のオブジェに「五輪のシンボルは全ての国や民族を表した平和の象徴。そこに自然をたたえる新しい輪を加えたかった」との思いを込めた。

 作品は60メートル近くある滝の下から仰ぎ見る形となる。アクリル製で光の当たる角度によって青や金などさまざまな色に輝くように工夫をこらした。この日は雨交じりの曇り空で輝きは鈍かったが、100人以上の観光客や報道陣が見守る中、白い衣装を着た森さんが登場してパフォーマンスを行った。

 1997年にベネチア・ビエンナーレ国際美術展で優秀賞を受賞。2011年にブラジルの3都市で開催され、約54万人を動員した個展がきっかけで五輪に携わることが決まった。

 5日にはリオ市内で五輪の聖火リレーも務める。「聖なる火をもって走るというのはめったにないこと、特別な経験を作品制作にも生かしたい」と意気込みを述べた。(共同)