五輪効果、地方に拡大を 東商、夏期セミナー

共同通信
東京都内で開かれた東京商工会議所の「夏期セミナー」=1日東京都内で開かれた東京商工会議所の「夏期セミナー」=1日

 東京商工会議所は1日、東京都内で「夏期セミナー」を開き、2020年の東京五輪・パラリンピックの経済効果を地方にも広げることが日本にとって重要だとの認識を共有した。全国の中小企業が五輪関連のビジネスで恩恵を受けるようにするほか、訪日外国人を地方へ誘客する取り組みが欠かせないとした。

 セミナーには約120人が参加。講演で東京都の山本隆(やまもと・たかし)副知事は、官民の五輪関連の調達情報を一元的に公開し、受注を希望する全国の企業が参加できる専用サイトを立ち上げたことを紹介。「全国の魅力を世界に示す絶好の機会だ。各地の活性化につなげたい」と意気込みを語った。

 参加者からは「地方の魅力を紹介する文化プログラムを五輪で強化するべきだ」「外国人の情報源となるネットを使って、もっと地方観光をPRしたらどうか」などの意見が出た。三村明夫(みむら・あきお)会頭は「観光振興の取り組みはものすごく進んでいる。地方から東京へもっとアピールしてほしい」と総括した。

 セミナーでは、深刻さを増す人手不足問題についても議論。女性や高齢者の積極的な活用や、短時間勤務など働き方の選択肢を広げる取り組みが紹介された。

 経済団体が主催する夏の財界セミナーは東商を皮切りに順次開かれる。