発信続く中高生記者 各地でプレスセンター開催 2020年東京五輪・パラリンピックの開催まで残り2年を切り、大会公認プログラムに認証されている、中...
共同通信 2020年東京五輪・パラリンピックの開催まで残り2年を切り、大会公認プログラムに認証されている、中高生参加の取材会「文化プログラムプレスセンター」(文化庁など主催)も活発化してきた。世界文化遺産や歴史イベントを取材して、新聞を作って地域の魅力を掘り起こす。新聞社などの協力を得て、各地の「ジュニア記者」の発信が続いている。
7月初旬、都内で行われた東京五輪の大会組織委員会の記者会見には、プロの記者に交じって東京都と福島県の中高生12人も参加。組織委文化・教育委員会の青柳正規委員長(前文化庁長官)や大会エンブレム作者の野老朝雄さんが登壇し、組織委企画の「東京2020 NIPPONフェスティバル」の概要やロゴを披露した場で、生徒たちから「ロゴをデザインした経緯は?」「何種類も作る必要はあるの?」などの質問が矢継ぎ早に飛んだ。
世界文化遺産に登録された「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の取材会には、長崎市内の三つの高校から計14人が参加。長崎新聞記者から取材の心構えなどを教わり、長崎市の「潜伏キリシタンの里」の大野教会堂や出津教会堂、大浦天主堂などを訪問した。
高校生たちは教会の取材で、キリシタンに対する迫害や弾圧の歴史に触れることに。「悲しい歴史を二度と繰り返さないためにどうしたらいいか、手作り新聞で発信したい」との声も出た。
明治維新から150年を記念して高知県内で開催の「志国高知・幕末維新博」を取材する会は、高知市の高知城歴史博物館や坂本龍馬記念館などで実施。高知新聞記者から新聞の仕組みなどについて説明を受けた39人の参加高校生は、歴史ドラマでもおなじみの龍馬や、三菱財閥の創設者、岩崎弥太郎らご当地出身の偉人たちの事績をたどる中で、明治維新は「優れた無名の人たちの活躍があったことが取材で分かった」などと目を輝かせた。
尾崎正直知事への合同インタビューも実現。観光のため高校生にできることはないかとの質問に、尾崎知事は「本物の高知の魅力をさまざまな形で発信してほしい」と答え、地域文化の掘り起こし取材と新聞作りにエールを送った。
文化プログラムプレスセンターは、東京五輪に向けて、日本の観光振興や地域文化の継承につなげる試みとして期待が高まっている。20年まで全国各地で開催される。
取材会で生徒たちが作った新聞は、専用サイト、http://www.presscentre.netで公開されている。