文化の交換で地域活性化を  2020年東京五輪・パラリンピックの機運醸成のため各地で開催される文化プログラムなどの情報を集め、...

共同通信
 「文化情報プラットフォーム」のシンポジウムで意見交換する坂村健さん(右)と青柳正規さん=2017年12月15日、東京都港区 「文化情報プラットフォーム」のシンポジウムで意見交換する坂村健さん(右)と青柳正規さん=2017年12月15日、東京都港区

 2020年東京五輪・パラリンピックの機運醸成のため各地で開催される文化プログラムなどの情報を集め、国内外に発信する「文化情報プラットフォーム」のシンポジウムが、東京都内で開かれた。面白い文化企画・イベントの情報交換が、地域の活性化につながるとの意見で一致した。
 司会を務めた坂村健・東洋大教授は、家電製品などに普及している基本ソフト(OS)「TRON(トロン)」の開発者として知られる。「文化技術立国を目指す日本として、文化の情報を知らせるのがこの仕組み。できるだけオープンな形式にしました」と坂村さん。五輪とは関係のない町や村の祭り、学校の文化祭まで登録範囲を広げている。
 パネリストとして参加した東京大名誉教授で前文化庁長官の青柳正規さんは「日本の縮小傾向が心配」とし、「集められた文化の情報を知識とし、知恵にすることで地域を元気にするアイデアが生まれる。そうした創造の場になるのではないか」と強調した。
 坂村さんは「いろいろな情報がつながることが大事」とし、連動する文化庁運営のウェブサイト「カルチャーニッポン」に自動翻訳機能などを備え、簡単に英語などで情報発信できるようにする考えを示した。
 青柳さんは「よその文化のいいところをうまく取り込む柔軟性が、日本の文化にはある。このプラットフォームによって、地域文化はまだまだ発展の可能性があります」と期待を寄せた。