eスポーツの文化プログラム  野球ゲーム「実況パワフルプロ野球」シリーズの最強プレーヤーを決めるeスポーツ大会「パワプロチャンピ...

共同通信
昨年の東京ゲームショウで「実況パワフルプロ野球」シリーズのeスポーツ大会実施について発表された=2016年9月16日、千葉市の幕張メッセ昨年の東京ゲームショウで「実況パワフルプロ野球」シリーズのeスポーツ大会実施について発表された=2016年9月16日、千葉市の幕張メッセ

 野球ゲーム「実況パワフルプロ野球」シリーズの最強プレーヤーを決めるeスポーツ大会「パワプロチャンピオンシップス2017」が2017年8月から、各地で開催される。コナミデジタルエンタテインメントは昨年度の大会で、パ・リーグ6球団の代表プレーヤーを含む初めての全国決勝大会を実施し、話題を呼んだ。ゲーム大国・日本が、2020年東京五輪・パラリンピックをきっかけにeスポーツの愛好者層をどれだけ広げられるか、注目される。

 ▽大観衆前に熱戦
 「パワプロチャンピオンシップス2017」は、家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)4」用やモバイルゲーム用「実況 パワフルプロ野球」などのナンバーワンプレーヤーを決めるeスポーツイベント。8月の大阪を皮切りに札幌、福岡、東京の4地区大会でプレーヤー同士が対戦し、全国決勝大会でチャンピオンを決める。今回はセ・リーグも含めたプロ野球12球団の代表プレーヤーも選出する。
 前年度の決勝大会は東京・有明の東京ビッグサイトの大きなホールが会場となり、特設ステージにはゲーム画面を映し出す大型スクリーンが設置された。ライオンズの代表プレーヤーと当日予選で勝ち上がったホークスファンのプレイヤーによる決勝戦では手に汗握る熱戦が繰り広げられ、千人近い観客からは声援と大きな拍手が送られるなど盛り上がりを見せた。

 ▽アジア大会競技に
 一方、日本では「eスポーツって何?」と頭を傾げる人はまだ多い。しかし、海外では数万人の観客を集める国際大会が開かれるなど、新しいスポーツ・競技として定着しつつある。こうした流れを受けてアジア大会では、18年の夏季ジャカルタ大会で公開競技に、22年夏季の杭州大会で正式競技になることが決まった。アジア・オリンピック評議会は「若者が参加する新しい形のスポーツで、急速な発展と人気を反映した」と採用理由を説明している。国際オリンピック委員会(IOC)の承認団体入りを目指す動きも出ている。
 「実況パワフルプロ野球」シリーズは1994年の誕生以来、累計2160万本の販売数を重ねてきた。子どものころに熱中した親とその子で対戦して楽しむケースも多いという、いわば国民的なeスポーツだ。コントローラーひとつの操作でプレーするから、年齢だけでなく身体能力や性別、国籍などの違いにあまり左右されず、万人がかなり平等に楽しむことができる。まさにバリアフリーの、ダイバーシティーのスポーツだ。
 バリアフリーもダイバーシティーも20年東京大会に向け、全国各地で企画・実施されている文化プログラムのメインテーマだ。ゲーム大国をeスポーツ大国に押し上げる「パワプロチャンピオンシップス2017」は国民のスポーツへの関心を高め、20年東京大会の盛り上げをアシストすることになりそうだ。